逆SEOとは

「逆SEO」(ぎゃくエスイーオー)とは、不当な「成りすましサイト」「乗っ取りサイト」「Fakeサイト」が、会社名検索や個人名検索の上位に進出するのを防ぐ対策です。 悪質なコンテンツやSNS投稿の検索順位を下げます。 個人情報の流出・暴露や誹謗中傷サイトの検索順位引き下げにも役立ちます。



リバースSEO

逆SEO

逆SEOとは 方法個人名法人名検索順位における「リンク」評価の歴史初期の検索エンジン

逆SEOとは検索順位を「下げる」対策

逆SEO(ぎゃくエスイーオー)とは、特定のサイトの検索順位を下げるための技術的な取り組みです。 通常のSEOは、特定のサイトの検索順位を「上げる」ことを目的としますが、逆SEO対策では順位を「下げる」のがゴールです。 主に、公式サイトを丸ごと盗用して無関係な詐欺行為へと誘導する「成りすましサイト(フェイクサイト)」や、 差別や偏見を助長する「ヘイトサイト」への対策手段として行われます。 誹謗中傷や個人情報などが書かれたSNSやサイトが、大勢の人の目につかないようにします。 企業にとって重要な広報業務の一つです。個人のプライバシーや名誉を守るための自衛策でもあります。

誹謗中傷対策

インターネット上で誹謗中傷されたとき、 本来であれば削除するのがベストでしょう。 重大な名誉毀損やプライバシー侵害で、かつ法律にも抵触するような文章・画像等は、速やかに削除されてしかるべきです。

削除依頼に応じないサイト

しかし、実際には、削除依頼に応じないサイトも多いです。 とくに海外で運営されているSNSは、被害者の要請を無視することが多々あります。 国内サイトであっても、企業や著名人に対する中傷は「言論の自由」などの理由で削除を拒否されがちです。

削除が難しいとき

削除できない場合に、その次善策として中傷サイトをなるべく目立たないようにする対策が、逆SEOです。 逆SEOでネガティブなサイトの検索順位を大きく下げることができれば、風評被害のダメージを食い止めることが可能になります。

検索結果の「質」を向上させる

逆SEOの目的は、検索結果の「質」を向上させることです。 悪質なデマや中傷、個人情報の暴露などの低俗なコンテンツを1,2ページ目から排除し、 知性、理性、感性に働きかけるプロダクティブな内容で埋めていきます。

カギは多様性

Googleは2025年に断続的に検索ランクの評価基準を刷新し、 「量の重視」から「質の重視」へと大きく舵を切りました。 似たようなサイトを多数つくっても、評価されなくなりました。 大事なのは、唯一無二の存在意義を持った高品質サイト、高品質ページを創造することです。 逆SEOでは、独創性のあるコンテンツをなるべく多数つくり、多様性豊かな検索結果を構築する必要があります。

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方法

逆SEO対策では通常、まず複数のWEBページ等を作成します。 コンテンツ(内容)は多岐にわたりますが、検索ワードと関連性が高いものが基本です。 そのうえで、作成した各ページに対してSEO対策を施し、検索結果の上位に表示させます。 結果として、誹謗中傷サイトの順位を押し下げていきます。

存在意義が大きいサイトを

逆SEOで複数のページを上位表示させるためには、 それぞれのページが独自固有の「価値」を持っていなければなりません。 価値のないページは、Google等の検索エンジンから評価されないからです。 一般の検索ユーザーの疑問にこたえたり、利便性を向上させたり、何らかの「役に立つ」コンテンツを提供する必要があります。 しかも、他のサイトにない独自性が求められます。

検索コミュニティの貢献度

つかり、カギを握るのは、検索コミュニティの貢献度です。 無数の検索ユーザーの知的ニーズにこたえ、長時間にわたって熟読されるWEBページは、 順位が上位へと上昇していきます。

「Entity(エンティティ)」の評価を高める

現在のGoogleのアルゴリズムは、 「Entity」(=実体)の信頼度を重視しています。 このため、逆SEO対策を行う際には、「Entity」自体の評価を高めることが重要になります。 「Entity」が運営するサイトから有益なコンテンツを発信し、長時間の閲覧時間を確保することで、Entityの信頼度が高まります。 なお、屋号やブランド等の表向きの名前を変えても、本質的な主体(Entity)が同じであれば、屋号・ブランドに対する検索エンジンの評価は変わりません。

メンション(言及)や参照元

また、検索エンジンからの評価が高いサイトから、 「Entity」がメンション(言及)されたり、参照元として明記されることも、 検索順位を決める要素になります。 これは、Google創業者であるラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏が大学院時代に検索エンジン開発に着手したときのベースとなるコンセプトでした。

優良サイトとの連携

優良サイトとの連携も不可欠です。 優良な既存サイトからオーソライズ(権威付け)されることで、 強力な誹謗中傷サイトを上回る検索順位を獲得することが可能となります。

マルチドメインで1ページ目占拠も

企業や医療機関など法人の逆SEO対策では、 公式サイトや関連サイトを複数ドメインで分散運用することにより、検索結果の1ページ目を独占していく方法も可能です。 多くの法人様が、この方法で対策を成功させています。

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効果が持続する対策

中傷サイトの順位が下がった後は?

逆SEO対策によって誹謗中傷サイトの検索順位がいったん下がっても、順位が再び浮上してしまっては元も子もありません。 再浮上を防ぐためには、耐久性・持続性の高いWEBページを作っておく必要があります。 優れた内容のコンテンツを投稿しておけば、対策終了後も長期にわたって順位を安定させることが可能となります。 効果の持続性の面においても、コンテンツのクオリティーの高さがカギを握ります。

AIの文章は弱い

コンテンツが貧弱だったり、検索エンジンの最新の評価基準(アルゴリズム)に適合していなかったりすると、時間の経過とともに効果が薄れていってしまいます。また、チャットGPT(ChatGPT)などのAIが自動生成したような文章は、日数が経過すると順位が下がる場合が多いです。その理由は、AIが書く文章には独自性や具体性がないからです。読者からも低い評価しか得られません。

Wikipediaとの差別化

Wikipediaとの差別化も大事です。 Wikipediaには、当たり障りのないことしか記載されません。 企業や個人の評価にまで踏み込んだコンテンツを作ることで、存在意義が高まります。

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逆SEOをしながら削除

削除まで日数がかかる場合

逆SEOは、中傷サイトの削除に時間がかかりそうなときの「応急措置」としても有効です。

「法的解決まで待てない」

SNS、掲示板、ブログの記事の削除は、警察や弁護士などの力を借りたとしても、相当の日数がかかる場合が多いです。 とくに裁判で争うことになった場合には長い年月がかかります。 削除に至るまでに、風評被害が拡大し続けてしまうことになりかねません。

まず検索1ページ目から排除

削除要請の準備や手続きをしている間は、とりあえず、逆SEOによって誹謗中傷サイトの順位を押し下げていくことが望ましいといえます。中傷サイトを3、4ページ目以降に後退させ、その間に削除の手続きを進めれば、中傷によるダメージを減らすことができます。

レピュテーション対策として

法人の逆SEOの場合、中傷サイトが最終的に削除されたとしても、それまでの逆SEOが無意味になるわけではありません。 逆SEOの一環として作成されたサイト群は、 将来にわたってレピュテーション対策や広報活動としての効果が期待できます。 新たに中傷サイトが出現した場合の予防にもなります。

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個人名の逆SEO

自分の名前の検索結果

初対面の人と面談・商談をするとき、 その人の氏名を事前にネットで検索するのは、 今や常識になっています。 その人のプロフィール等を把握し、 世間での悪評や炎上歴がないか等をチェックすることができるからです。

就活・転職

こうした「名前検索」は、 例えば企業の採用担当者であれば必ず行っていることであり、 就活中の学生や転職希望のビジネスパーソンにとっても極めて重要です。

個人レベルでの対策

ネットには嘘やデマも多いですが、 事実でなくても、書かれているだけでイメージ的にマイナスになります。 一般個人も定期的にエゴサーチを行い、 不愉快な内容が上位に出てきたら逆SEO対策を検討する時代になっています。

個人情報の範囲

過去の「破産」や「逮捕」も

個人の方が削除や逆SEOを進める際に、 焦点の一つになるのが個人の「プライバシー」の範囲です。 プライバシー保護の対象となるのは、氏名、住所、写真等だけとは限りません。 人に知られたくない過去の黒歴史も、プライバシーに含まれる場合が多いです。 例えば、自己破産の履歴や過去の逮捕歴・前科です。 ネガティブな経歴も、一定の期間が経過した後は、原則として個人情報に含まれ得るというのが一般的な考え方です。

「タイトル」に名前が載っている場合

ただ、誹謗中傷サイトにおいて、記事本文に加えて、ページの「タイトル」部分に氏名等が記載されてしまっている場合、逆SEOの難易度が高くなる傾向があります。 アメブロのような有力ブログの題名や5ちゃんねる(2ch、5ch)などの匿名掲示板のタイトル(スレッド名)に名前が入ってしまっているケースも同様です。

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会社名(法人名)の逆SEO

会社名を守る

ネット社会において、企業はあらゆる人たちにネットで会社名を検索されています。 社名検索の1ページ目にどのようなサイトがあるかによって、企業のイメージが大きく左右されます。 ネガティブなサイトが上位に出てくると、営業上、極めて大きな損害となります。 風評被害や悪評の拡散を防ぐためにも、逆SEOは広報上の必須業務の一つだと言えます。

検索1ページ目を改善

検索結果の1ページ目でしっかりと会社をPRすることができれば、 ブランドイメージの向上や取引拡大のチャンスが広がります。 WEB広報の逆SEOでは、 オウンドメディア、情報メディア、SNS等を組み合わせながら、 検索上位をポジティブな顔ぶれへと入れ替えていきます。

SEOは「裏技」から「本質」の時代へ

SEOは「裏技」から「本質」の時代へと転換しました。 Googleがリンクなどの技術面より、「検索ユーザーから支持率」や「サイトの中身」を重視する姿勢が一段と強まったためです。 いかに意義深い内容の文章を書き、見やすいように配置するかが、圧倒的に重要になっています。

とりわけ法人名の対策は中身勝負

とりわけ法人名の検索対策は、掲載されている文章の有益性が問われます。 会社の宣伝のような内容ばかりでは上位を埋めることはできません。 公平な第三者的立場から見て、「読んでためになる」「役に立つ」コンテンツが必須です。

ドメインの貢献度

ドメインの世の中に対する「貢献度」もカギを握ります。 圧倒的に支持され、長期にわたって愛され続けるページが一つでもあるドメインは、 別URLで法人名対策を行ったときに、 上位に表示されやすい傾向があります。

理系でなく文系の視点で

ドメインの強化策や選択も、理系でなく文系の視点で進めなければなりません。 リンクやタグなどの技術的な問題よりも、「一つの文章、あるいはアート作品としてWEBページにどれだけ価値があるか」という観点でドメイン活用を進めるべきです。

複数ドメイン(マルチドメイン)時代

現在のネット社会にいては、業種を問わず、多くの企業が複数のドメインを運用する必要に迫られています。 Googleなどの主要な検索エンジンでは、一つのドメインだけで検索上位を占めることが事実上、不可能だからです。

検索アルゴリズム

Googleの現在の検索アルゴリズムにおいて、単一ドメインから検索結果の上位にランクインするのは2~3個が限度になっています。このため、ドメインを1個しか持っていないと、会社名で検索したときに、最大で1位~3位までしか占拠することができません。公式サイトのすぐ下にネガティブサイトや掲示板・口コミサイト等が表示される事態を避けるには、複数のドメインを積極的に活用する必要があります。

自社サイトで埋める

自社で複数のドメインを持ち、しっかりと運用していれば、社名検索において3位以降も自社のサイトで埋めることができます。 このような取り組みは「マルチドメインSEO」と呼ばれ、レピュテーション対策としてたいへん有効です。

トップの技術

WEB広報は、マルチドメインSEOの分野においてもトップレベルの技術を有しております。お気軽にお問い合わせ下さい。

評判、口コミ

会社名単独での検索に加えて、「評判」などのキーワードを組み合わせた検索の対策もたいへん重要です。 例えば「社名+評判」で検索したとき、 上位にネガティブな口コミサイトが表示されていると、 イメージダウンにつながります。

複合キーワード対策

このような複合キーワードでの逆SEOは、単一ワードでの対策よりも難易度が高くなります。 当社のように長年の実績がある専門業者にご依頼いただくことが効果的です。

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逆SEOとペナルティ

スパム的なやり方はNG

スパム行為的なやり方で逆SEO対策を進めると、Googleなどの検索エンジンから、ペナルティを科される恐れがあります。 とくに、価値の低いSNSアカウントやブログを大量に作ったり、無意味なリンクを一斉に貼ったりするような行為は、 制裁の対象になりやすいです。

「もみ消し」でなく

企業などが逆SEOを行うにあたっては、誹謗中傷を「もみ消す」という発想ではなく、事実をより正確に伝えるという姿勢が大切になります。 広報の一環として、事実に基づく情報をネット上で積極的に提示し、消費者の皆様などに理解を求めるというスタンスです。 通常のPR活動を逸脱しない範囲でSEO(逆SEO)を展開すれば、検索エンジンからペナルティを科されることもありません。

ネガティブSEOとの違い

ネガティブSEOとは

逆SEOと似たような言葉に、「ネガティブSEO」というものがあります。 これは、企業などが同業他社のサイトの検索順位を意図的に引き下げる対策のことです。

倫理的に問題あり

「逆SEO」が自分たちについての不当な誹謗中傷サイトを引き下げる「防衛策」であるのに対して、 ネガティブSEOは、他サイトに対して「攻撃」を仕掛ける行為です。倫理的にもコンプライアンス的にも大きな問題があります。 当社では、ネガティブSEO対策のような攻撃型のサービスは提供しておりません。

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Google検索順位とリンクの死

Googleの検索順位の決定方式において、近年、リンクの重要性は著しく低くなった。そこにいたるまでの歴史を振り返ってみたい。


検索エンジンに起きた革命

共同創業者ラリー・ペイジの「着眼点」

Google創業の原点は、スタンフォード大学の寮で生まれた「ある問い」にあった。 1996年、当時まだ黎明期だったインターネットにおいて、博士課程に在籍していたラリー・ペイジは、ウェブページ同士を結ぶ「リンク(Hyperlink)」の構造に注目した。 彼の研究テーマは「デジタル図書館プロジェクト」。 「ウェブ上の全てのサイトをダウンロードし、リンクのつながりだけを抽出したらどうなるか?」 この学術的な探求心から、同じ寮に住むセルゲイ・ブリンとの共同研究が始まった。

仮説:人気サイトからのリンクは「投票」である

ラリー・ペイジは、学術論文の評価システム(引用数が多い論文は優れている)をウェブに応用する仮説を立てた。 「あるページへのリンクは、他者からの『支持投票』とみなせるのではないか?」 つまり、多くのサイトからリンクされているページは良質な情報である可能性が高い。さらに、単に数が多いだけでなく、「すでに人気のある信頼性の高いサイト」からリンクされていれば、その1票の価値はより高くなるはずだ。 これは、キーワードの出現回数だけに頼っていた当時の常識を覆す発想だった。

システム名「PageRank(ページランク)」

この仮説に基づき、彼らはウェブページの重要度を測るアルゴリズムを構築した。 名称は、ページのランクという意味と、ラリー・ペイジの名を掛けて「PageRank(ページランク)」と名付けられた。 1997年秋、この技術を搭載した検索エンジンに「Google」という名前が与えられ、スタンフォード大学の学内ネットワークで公開されると、その検索精度の高さは学生たちの間で瞬く間に噂となった。

当時の「検索の常識」とは?

Googleが登場する以前、インターネットの世界は「群雄割拠」の状態だった。 多くの企業が覇権を争っていたが、ユーザーは「探したい情報が見つからない」というストレスを抱えていた。 Googleが革命を起こす直前、世界にはどのような検索エンジンが存在していたのか。その主要なプレイヤーを確認しておこう。


初期(黎明期)の検索エンジンの一覧(1990年代半ば~2000年代初頭)

<黎明期の主な検索エンジン・検索サービス>
名称 概要
ヤフー
(Yahoo)
(米国)
初期の検索エンジン競争において「ディレクトリ型(登録型)検索エンジン」の代表格になった。   スタンフォード大学院の博士課程(電気工学科)の2人の学生(ジェリー・ヤン&デビッド・ファイロ)が開発した。   2人が1994年4月に公開した個人的なリンク集が原型となった。  

1995年春に会社「ヤフー」設立。サービスを開始した。   1995年4月に米カリフォルニア州サンノゼ市で開かれた展示会「インターネットワールド95」で最優秀賞を獲得した。  

ロボット型検索サービスも提供していたが、こちらは別の会社「アルタビスタ」のエンジンを採用した。1998年にインクトゥミに移管。さらに2000年からはGoogleに乗り換えた。  

インターネット黎明期の検索エンジンには「登録型(ディレクトリ型)」と「ロボット型」があった。登録型は、HP開設者の登録依頼や、サーチャーと呼ばれるスタッフが探してくるHPを、人為的にカテゴリー編集したもの。したがって、検索リストは厳選され、ヒットする情報の当たり外れが少ない。一般的な調べものをするには最適で、登録型の代表であるヤフーは、米国や日本で断トツのページビューを誇っていた。  

2001年3月7日、米国ヤフーの四半期の純利益はほぼゼロになった。それまでヤフーの成長に貢献してきたティム・クーグル会長兼CEOが辞任に追い込まれた。  

独自の検索エンジン技術を「YST」と名付け、開発を強化した。しかし、Googleとの差は開く一方だった。最終的に自前の検索エンジンを断念し、マイクロソフトのBingを取り入れた。  

ところが、ソフトバンクの孫正義社長が率いるヤフージャパンは、マイクロソフト製エンジンの採用を拒否。米国とは逆に、Googleのエンジンに切り替えるという超ウルトラCの選択をした。
アルタビスタ
(AltaVista)
(米国)
当初、最も利用された検索エンジンだった。集めたウェブサイトの情報が多かったため、人気を集めた。  

親会社は米コンピューターメーカー「DEC(デック)」。DECの研究所で開発された。DECが米コンパックに買収されると、切り離された。その後、オーバーチュアに買収された。  

1995年、登録型検索サービスを主力とするヤフーから、それを補完するためのロボット型検索エンジンとして採用された。しかし、1998年にインクトゥミに乗り換えられてしまった。  

1998年ごろから、「アルタビスタが使いにくくなった」という悪い評判が立つようになった。単独のキーワードだけで検索すると、上位の7~8割はアダルトサイトに占拠される状態に陥った。  

2000年度の赤字幅拡大を理由に従業員の25%削減を発表。
ウェブクローラー
(WebCrawler)
(米国)
検索エンジン。AOLが所有していたが、1996年、エキサイトが1200万ドルで買収し、エキサイトだけがAOLの検索サービスを引き受けることになった。その結果、無名に近かったエキサイトは突然、検索サービスの先頭集団に飛び出した。
ライコス
(Lycos)
(米国)
映像や音声ファイルの検索に強みを発揮した。一時、ページビューで老舗のヤフーを追い抜いた。  

2000年、スペインの通信最大手テレフォニカの子会社「テラ・ネットワークス」に買収された。  

日本法人は「ライコスジャパン」(当時:吉田和男社長)だった。
マゼラン
(Magellan)
(米国)
1996年6月、エキサイトが1800万ドルで買収した。
ノーザンライト
(Northern Light)
(米国)
2000年11月の米コンピューター誌「PCマガジン」の検索エンジン評価で、Googleとともにトップの点数を得た。
インフォシーク
(Infoseek)
(米国)
ロボット型検索エンジンの先駆けである。   1994年1月、スティーブン・カーシュ氏が有料サービスを開始。   有料だと利用者が増えなかったため、同年夏に無料に切り替えた。   1996年10月に本格的にサービスを開始。  

インターネット上の文章を自動的に分類するパターン認識技術「ウルトラ・ディレクトリー」(ウルトシーク)が武器だった。   「ロボット型」に分類され、人手によってホームページを登録する「登録型」と異なり、「ロボット」と呼ばれるプログラムによって自動的にホームページの新規登録・更新作業を行った。   「ヤフー」よりもはるかに多くのサイトが登録された。  

1997年2月には、日本において、「ネット界のカリスマ」と呼ばれた伊藤穣一氏が早くも「インフォシーク・ジャパン」を始めた。   伊藤氏は当時、自ら創業したデジタルガレージの社長を務めていた。  

伊藤氏は、研究者だった父親の転職もあって、米国で小中学校時代を過ごした。   帰国後もアメリカンスクールに通い、日本の学校教育を受けなかった。   米国のシカゴ大学などでコンピューターを1年、物理学を1年半学び、中退した。   その後、ナイトクラブDJやハリウッドのプロデューサーの手伝いを経験した。   コンピューターの才能は小さいころから示し、13歳で父の働く米国企業の太陽電池制御ソフトを書いた。   再度帰国した後の1993年、自宅マンションのトイレや洗面所に機器を置いてホームページ「富ケ谷」をつくり、個人でも情報発信ができることを本格的に示した。  

その後、ディズニーに買収された。1998年6月にインフォシークの株式の43%を取得。   1999年7月に完全買収し、社名をインフォシークからゴー・ドット・コム(Go.com)に変えた。   ディズニーのコンテンツや、傘下にある米3大ネットワークの1つであるABCなど、多様なコンテンツの入り口となることを目指していた。   しかし、思うように売り上げが伸びなかった。  

その後、日本の「楽天」が2000年12月、米ディズニーからインフォシークを買収。   オンライン辞書など新サービスを打ち出すとともに、楽天の利用者に相互に行き来してもらう策を取った。   楽天は自分たちで検索エンジンを作ることも考えたが、社内の人材には限りがあった。   赤字会社ではあったが、楽天と共同でマーケティングを行っていけば広告費が圧縮でき、赤字幅は小さくなるだろうと考えた。  

日本法人インフォシーク(東京都渋谷区)は2001年3月16~18日の3日間にわたるシステム・トラブルが原因で、無料のメール・サービスである「インフォシークメール」のデータの一部を消失してしまった。   米ゴー・ドット・コム(米ディズニーが米インフォシークを買収した後に設立したインターネット事業専門会社)のシステム障害が原因だった。
エキサイト
(Excite)
(米国)
カリフォルニア州クパティーノのガレージを根城にしていた6人のスタンフォード大学の卒業生によって作られた。   創業日は1993年2月28日。   6人はレッドウッドシティのメキシコ料理店で「アーキテキスト・ソフトウェア」という会社を作ることに決めた。   アーキテクストはインターネットで入手できる多量の情報を管理するソフトウエアツールを作ることにした。   これが、自動ハイパーテキストリンク、主題ごとのグループ化、自動抽出などの機能を備えた検索抽出ツールになり、エキサイトサーチという検索エンジンになった。  

1995年10月にサービス開始。人気を呼び、マイクロソフトのMSNやネットスケープにもサービスを始めた。   このころ、エキサイトと社名変更。   1996年4月に上場し、3900万ドルの資金調達に成功した。  

創業間もないGoogleからページランク買収の提案を受けたが、拒否した。  

高速インターネット接続会社の「アットホーム」が1999年1月に67億ドルで買収すると発表。   アットホームはAT&T傘下で、買収後の「エキサイト・アットホーム」の議決権のある株式の56%はAT&Tが保有した。  

2001年10月、裁判所に破産宣告を申請した。2002年倒産。  

■日本で「エキサイト掲示板閉鎖騒動」 日本法人は「エキサイト」(東京都渋谷区)。大手ポータル・サイトの一つになった。   その日本で2001年3月、自社サイトにある複数の掲示板を突如削除し始めるという騒動が勃発する。   公序良俗に反する書き込みが増え、利用者同士のトラブルが発生する可能性が高くなったためだ。   利用規約に従い、該当する掲示板の利用者には、削除する旨を事前に通告しなかった。  

米国本社の倒産後、伊藤忠商事が日本法人を買収。
インクトゥミ
(Inktomi)
(米国)
ロボット型の検索エンジン。   定期的に世界中のホームページを自動探索してデータベースを更新。   一般ユーザーは最新のデータベースに基づいて検索できるため、かなり多くのページを見つけ出すことができた。   「YAHOO!」や日本のNTT系の「goo」などの検索エンジンとして、あるいは企業や官庁のウェブサイトにある簡易検索エンジンのソフトとして使われた。   自社ブランドで展開していなかったため、社名はあまり知られていなかった。  

カリフォルニア大学バークレー校のコンピュータ・サイエンスを教えていたエリック・ブレーナー博士らが1995年に開発。   コンピュータ雑誌「ワイヤード」向けの検索エンジンとして始まった。   これが好評だったことから事業化に乗り出し、1996年に会社を設立した。  

NTTが当時無名だったインクトゥミを知ったのもネット上だった。   広告もほとんど行っていないインクトゥミにアプローチをかけたのもNTTのほうからだった。   1998年6月のナスダック上場で億万長者になった。
HotBot
(ホットボット)
(米国)
「インクトゥミ」の技術によって生まれた検索サービス。
goo(グー)
(日本)
NTT。1997年3月27日サービス開始。   日本のロボット型検索には言葉の壁があった。   基本システムはすべて米国製だった。  

gooも日本を代表するロボット型検索と言われたが、エンジンは米インクトゥミ社製だった。   英語の場合は単語が独立しているのに対し、日本語は文章の中に単語が埋没する。   この単語の「切り出し」技術が別途必要で、その技術の優劣が、日本語版の使い勝手を左右することになった。  

広告を扱ったのはNTT系列の広告会社であるNTTアド。   他にも「インターネットTVガイド」など、NTTの持つ技術力を背景にインターネット広告の分野で扱いを伸ばした。  

2025年、ついにgooブログが閉鎖に追い込まれる。
フレッシュアイ
(日本)
日本発。東芝の一事業部門として1998年6月からサービスを開始。「鮮度優先」の検索エンジン。  

1998年12月から、東芝本体から切り離され、東芝、凸版印刷、電通の共同出資による新会社「フレッシュアイ」(瀬川英夫社長)としてスタート。  

検索エンジンは通常、量の豊富さが競われるが、フレッシュアイはこれを逆手にとり、一カ月を超えた情報は切り捨て、新たに加えられる情報の蓄積を検索できるサービスが特徴。  

「最新情報に強い検索エンジン」として一定の評価を得た。ホンダが公式サイト内の検索用ツールとして活用した。  

初心者向けにキーワード一語で目的のサイトを探せるサービスを2001年3月に始めた。
テオマ
(Teoma)
(米国)
米ニュージャージー州のラトガーズ大学のコンピューター科学専門の教授たちが始めた。   米国防省が資金提供した。   第一世代「アルタビスタ」、第二世代「Google」に続く第三世代の座を狙っていた。   2001年9月1日早朝、アスクジーブス(Ask.com)に買収された。
MSNサーチ
(米国)
マイクロソフトが提供する検索サービス。   初期の段階では独自エンジンではなく、他社エンジンを利用していた。   後にアルゴリズムやインデックスを自社開発し、Bing(ビング)へと進化していった。
A9
(米国)
アマゾンが開発した検索エンジン。   自社ショッピングサイトの検索機能を拡張するために設計され、ウェブ検索・画像検索・商品検索などを統合した。   アマゾンの購買データと連動させることにより、ユーザー行動の最適化を狙った。   当初は独立したサービスとして運営されたが、後にコア技術がアマゾン内部検索に統合された。
アスク・ジーブス
(Ask Jeeves)
(米国)
1996年にカリフォルニア州バークレーで創業。キーワード入力ではなく、「自然言語(話し言葉)」での質問に答えることを売りにした検索エンジン。   執事のキャラクター「Jeeves(ジーブス)」が有名で、ユーザーフレンドリーな検索体験を提供し、初心者層に絶大な人気を誇った。   2001年に「テオマ」を買収し、検索技術を強化。一時はGoogleの強力なライバルになると目された。   後に社名を「Ask.com」に変更した。
オールザウェブ
(AlltheWeb)
(ノルウェー)
ノルウェーの「FAST Search & Transfer」社が1999年に立ち上げた検索エンジン。   当時、Googleに匹敵、あるいは凌駕するほどの「検索スピード」と「データベースの規模」を誇り、検索マニアや技術者から熱狂的な支持を受けた。   「Googleキラー」の筆頭候補と呼ばれた時期もあったが、2003年にオーバーチュア(後のヤフー)に買収され、独自の技術は表舞台から消えた。
GoTo.com
(GoTo.com)
(米国)
1998年、ビル・グロスによって設立された。従来の検索エンジンとは異なり、検索結果の順位を「広告主が支払うクリック単価(入札制)」で決定する「ペイ・フォー・プレースメント」モデルを初めて導入した。   当初は「金で順位を買うのか」と批判されたが、結果的に最も収益性の高いビジネスモデルとなり、ヤフーやMSNなどのポータルサイトに検索結果(広告)を配信するバックエンドとして巨額の富を築いた。   2001年に社名を「オーバーチュア」に変更。2003年にヤフーに買収された。
ドッグパイル
(Dogpile)
(米国)
1996年にアーロン・フリンによって開発された「メタ検索エンジン」。   独自のデータベースを持たず、Yahoo!、Lycos、Excite、AltaVistaなど、当時乱立していた複数の主要検索エンジンに一度に問い合わせを行い、結果をまとめて表示する仕組み。   「どのエンジンを使えばいいかわからない」という当時のユーザーの悩みを解決し、犬のキャラクターとともに親しまれた。
ODIN
(オディン)
(日本)
1995年、まだ日本のインターネット人口が極めて少なかった時期に登場した、日本初のロボット型検索エンジン。   奈良先端科学技術大学院大学の研究プロジェクトとして開発された。   日本語の分かち書き(単語の切り出し)に対応した最初期のシステムであり、gooが登場する以前、日本の技術者や研究者はこのODINや、早稲田大学の「Senrigan(千里眼)」などを利用していた。

なぜGoogleが圧勝したのか

(1)「ポータルサイト化」の罠と失敗

上記の表にある初期の検索エンジン(ヤフー、エキサイト、ライコスなど)の大半は、途中から検索そのものではなく「総合ポータルサイト化」による囲い込み競争へと走った。 彼らの戦略は、天気予報、ニュース、株価、占い、チャットなど、あらゆるコンテンツをトップページに詰め込み、ユーザーをサイト内に長時間滞在させること(スティッキネス=粘着性)で、バナー広告の表示回数を稼ぐというものだった。

ITバブル崩壊と「重すぎる」画面

しかし、このモデルは脆かった。オンライン広告全体の約7割を出稿していたドットコム企業の多くが、2000年春のネットバブル崩壊とともに経営不振に陥ると、広告収入に依存していたポータルサイトの経営も連鎖的に悪化した。 何より致命的だったのは、機能過多で画面表示が遅くなり、本来の目的である「検索」がおろそかになったことだ。ユーザーは「情報を探したいのに、余計なものを見せられる」ことに疲れ果てていた。

(2)従来の「ロボット型」の限界とスパム

一方、Google以前の「ロボット型検索エンジン(アルタビスタ等)」にも、技術的な限界があった。 コンピュータの自動プログラムがネット上のHPを収集するまでは良かったが、順位付けの基準が単純すぎたのだ。当時は「そのキーワードがページ内に何回登場するか(出現頻度)」や「メタタグに何が書かれているか」を重視していた。

アルタビスタがゴミ箱に!?

その結果、検索順位を上げるためにキーワードを無意味に羅列するなどのスパム行為が横行した。ユーザーは検索するたびに「膨大なゴミのリスト」を突きつけられ、途方に暮れることになった。登録型に比べ情報量は圧倒的だが、肝心の「正解」に辿り着けない――それが当時のロボット型の限界だった。

(3)圧倒的な「質の勝利」

この閉塞感を打破したのが、前述したGoogleの「PageRank(ページランク)」だった。 創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが持ち込んだ「学術論文の引用評価」という概念は、スパムだらけのウェブに秩序をもたらした。

  • 「多くのサイトからリンクされているページは、重要度が高い」
  • 「重要なページからリンクされているページは、さらに重要度が高い」

この「リンク=他者からの客観的投票」という指標を取り入れたことで、Googleはキーワードの出現回数に騙されず、人間が「良質だ」と感じるサイトを魔法のように上位表示してみせた。 他社がポータル化で画面を埋め尽くす中、Googleは「白い画面に検索窓だけ」という超シンプルなUIを貫き、徹底的に「検索順位の質」と「表示スピード」にこだわり抜いたのである。

深層ウェブとインデックスの壁

もっとも、Googleとて万能ではなかった。2000年代半ばの時点でも、数百億を超える世界中のウェブサイトの中で、大手検索エンジンが定期的に情報収集(インデックス登録)できているのは全体の2割程度(表層ウェブ)にとどまっていると見られていた。 残りの8割はデータベースの奥底にある「深層ウェブ」であり、当時の技術では到達困難だった。しかし、Googleはその限られた2割の中で、ユーザーにとって最も価値のある数%を的確に提示することで、ユーザーの信頼を勝ち取ったのである。

(4)検索エンジン戦争の終結とビジネスの確立

結局、検索エンジン戦争はGoogleの圧勝に終わった。 その要因は、創業者2人の「検索品質への執念」と、2001年にCEOとして招かれたエリック・シュミットによるビジネス面での手腕が見事に融合した点にある。

「AdWords」という発明

シュミットは、オーバーチュアが考案した検索連動型広告をさらに洗練させ、「AdWords(アドワーズ)」として収益化した。 ユーザーの邪魔をするバナー広告ではなく、検索意図に寄り添ったテキスト広告を表示するこのシステムは、Googleに莫大な利益をもたらした。そしてその利益をサーバー増強や技術開発に再投資するという「無敵のサイクル」が完成したのである。 「ポータル(滞在させる)」ではなく「検索(すぐに目的の場所へ飛ばす)」ことに徹したGoogleが、逆説的に最も多くのユーザーを惹きつけることになった。

日本の敗北

アメリカに抜かれ、独占を許す

Googleの登場以前、日本の情報検索や解析の研究は、アメリカよりも盛んだった。しかし、ビジネスモデルにつながらなかったことと、様々な技術要素を組み合わせてこそ動き出す仕組みづくりが産業界の自発的な活動では起きなかった。その結果、研究開発レベルは維持されながらも、ややリストラ気味の方向にあった。その間、Googleなどの米国勢が世界市場をほぼ独占してしまった

「日の丸検索エンジン」の失敗

この後、日本では、役所が主導して「日の丸検索エンジン」を目指したが、失敗に終わった。2005年12月、経済産業省商務情報政策局長の私的研究会として「情報大航海時代研究会」が発足。2006年6月には研究会が産官学コンソーシアム「情報大航海プロジェクト」に発展した。コンソーシアムには東京大学、早稲田大学などの研究機関のほかIT、メディア、通信など38企業・団体が参加した。しかし、成果は出なかった。(参考:首相官邸/経済産業省商務情報政策局の資料



20年後の大転換

「置いてあるだけ」のリンクは無視

2020年ごろから、Googleの検索順位において、「リンク評価」の重要性は著しく低下した。 いわば創業の原点だった「ページランク」との決別である。 依然としてリンクは重要であるが、「置いてあるだけ」のリンクは無視される。 「関連性の低いリンク」も無視される。 無視されるどころか、有害(減点要素)である。 例えば、フッターにごっそり散らばっているリンク集などはダメだ。

人気のある記事の本文内の「参照元」

記事の本文内に「参照元」として掲げられるリンクは依然として有益だ。 ただし、アクセス件数やアクセス時間の長いページからのリンクでないと効果がない。 いうなれば、「ページランク」の精神を極限にまで突き詰めるようになったのだ。

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