DCMAとは

DCMAとはアメリカの法律である「デジタルミレニアム著作権法」の略称です。 この法律に基づいて、著作権を侵害しているサイトの削除を要請することを、「DMCAクレーム」または「DMCA申請」といいます。 検索エンジンのGoogleに対して、検索結果からの削除をリクエストするときなどに、この制度が使われます。 最近、DMCAの制度を悪用した削除申請が社会的に問題になっています。 サイト所有者になりすまして著作権を侵害されたと訴えるようなケースです。 DMCAのルールに反した削除を行うと、後で批判を受けたり、炎上を招いたりする恐れもありますので、 本来の趣旨をふまえて手続きをするようにしましょう。

Googleへの削除リクエストとDMCA

削除理由は「著作権」

画像や文章の無断転載など

Googleに対する削除リクエスト(削除依頼)の一つに、DMCAクレームがあります。 DMCAクレームは、著作権が侵害されている、 というのが理由になります。 すなわち、「画像の無断転載」「文章の無断転載」などです。 例えばロゴやサイトの画像・文章・動画などをコピーされたというケースが該当します。 自ら制作した動画や音楽を無許可で勝手に使用された場合も該当します。 画像、文章、動画、音楽などのことをネット用語で「コンテンツ」といいます。

「名誉毀損」ではない

「名誉毀損」や「営業妨害」があったとしても、 それは補完的な理由となります。 アメリカの法律は、著作権侵害を重視する傾向があります。 それに比べて、名誉毀損(デファメイション)については軽視されがちです。 このため、Googleは著作権侵害に対しては、わりと積極的に削除に応じることが多いです。 この点からも、著作権が侵害されているのであれば、それをメインの理由にして削除依頼をしたほうがベターです。 ただし、リベンジポルノなどのように肖像権やプライバシーなどが侵害されていたり、個人のセキュリティに関する個人情報が暴露されていたりするときは、その理由で削除依頼をかけるのが一般的のやり方になります。

やり方

Googleの手続きのページ

GoogleのDMCAの手続きのページはこちらです。このページの選択肢の中から「ウェブ検索」を選択し、進みます。
https://support.google.com/legal/troubleshooter/1114905?hl=ja

Googleの説明

GoogleのDMCAについての説明のページはこちらです。
https://transparencyreport.google.com/copyright/overview

申請が通ると・・・

DMCA申請が通ると、Googleの検索結果から削除されます。 同時に、Yahooの検索結果からも削除されます。

「検索結果を除外しました」

検索結果から削除されると、以下のような文言が検索結果の画面の下のほうに表示されます。

Google 宛に送られた法的要請に応じ、このページから ●件の検索結果を除外しました。ご希望の場合は、LumenDatabase.org にてこの要請について確認できます。

サイト管理人に連絡

検索結果から削除された後、 通常、Googleからサイト管理人に対して連絡がいきます。

内容が公表される

Googleに対するDMCAクレームは、 「Lumen」という第三者機関のサイトにおいて、 申請者の名前や内容などが公表されてしまいます。 申請者の名前(個人名または法人名)は必須なので、記載しなければなりませんが、 削除依頼などの理由の部分には、個人名や会社名はなるべく出さないほうが無難です。 例えば「当社」や「当人」にするなどの工夫をしたほうがいいかも知れません。

名前は英語でもいい?

削除の申請者の氏名は、 日本語でなく英語で書くという人も少なくありません。 そのほうが、公開されたことのダメージが少ないからです。

会社名

会社名の欄を埋めると、 その記載内容が公開され、 氏名は公開されないという説があります。 会社名は、自分が所属するサークルや団体などでも構わないようです。
ただ、運用ルールが随時変わっているため、 実際のところは定かではありません。

文例

Lumen

Lumen(ルーメン)という非営利団体のページに、 Googleに対する削除依頼が記録されています。
https://www.lumendatabase.org/
このページに、過去のGoogleへの削除要求が掲載されています。 このページの検索機能を使って、例えば「無断」などのキーワードで検索すると、 様々な過去の事例や文例が出てくるので、それを参考にすることが可能です。

リスクと注意点

不当な使い方(悪用)をしない

DMCAは、著作権を侵害された個人や法人だけが行うものです。 誹謗中傷されたからといって、 著作権が侵害されていないのにDMCA申請を行うのは、 誤った方法になります。

炎上リスク

DMCAを拡大解釈し、 著作権侵害を理由に次々と誹謗中傷サイトが消えることもあります。 しかし、その後、これが「DMCAの悪用だ」という批判を受け、炎上したケースがあります。

被害者本人

DMCAは、著作権を侵された被害者本人が申請するものです。 あるいは、本人から委任を受けた弁護士などの代理人が行うものです。 本人になりすまして申請するのは違法です。

Sender(送信者)が「REDACTED(編集済み)」に

DMCAに基づく申請を行う際には、Sender(送信者)が「REDACTED(編集済み)」になるように注意しましょう。 以前はSenderに固有名詞(氏名)がそのまま表示されることが多かったです。 しかし、2020年ごろから、氏名ではなく「REDACTED(編集済み)」と表示されるケースが増えました。

逆SEOとの違い

DMCAと逆SEOは異なります。 逆SEO対策(リバースSEO)は検索結果から削除・消去するものではありません。 内容のある良質なサイトをつくって、不当の誹謗中傷の検索順位を引き下げる対策です。 このため、著作権を侵害されたときに行うDMCAとは、趣旨や方法が異なります。

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